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原題: Het Nieuwe Rijksmuseum
(直訳すると,単に「新国立美術館」となるな。「The New Rijks Museum」。このRijksを「王立」と訳すのか「国立」と訳すのかもなかなか微妙な点ではあるのじゃが) 映画見に行くなんてホントに久し振りです。たまたま昼間の本郷での会議が比較的早く終わってその後が全くのフリーだったので,唐突ながら渋谷ユーロスペースに映画を見に行って来ました。久々に見に行く映画っちゅーのがこれまた実にマイナーな映画なのでございますことよね。 【LINK】 →オフィシャルサイト →渋谷ユーロスペースのこの映画のページ アムステルダムの国立美術館は,実に2003年末に閉鎖したっきり。未だに「新装開店」されていないのですね。当初予定(アナウンス)では2008年オープンとのことであったのに。既に8年が経過しておって,一体全体,どんなスバラシイ改装でもって10年も閉鎖してるのよ?と実に不思議に思っておったのである。この間にも実は何度かアムスには行っているのだけれども,当然のコトながらやっていないのです。 (注:「フィリップスウィング」と云う「別館」でマスターピースだけを集めた縮小版展示・開館はずっと続いているようです。「有名な絵」だけを見たい駆け足観光には,実は今の展示形式の方が向いているカモ知れない。でも,フランドルマニアには勿論コレでは物足りないのである) しかして。その実像は。 この映画は,Rijksmuseum改装の裏で起きているてんやわんやのドキュメンタリーフィルム。それはもういろんなコトが起こる。基本的には,改装プランの最終版を公開したら,近隣住民からの反対があって建築許可が出ない。と云う一点に尽きるのだが,これにまつわる様々な立場からの様々な物語が記録されて行く。 (都市再開発等に於ける)ステイクホルダー参加型の意志決定プロセスの一つの理想的なモデルとして「オランダモデル」と云うのが一時期持て囃されておったワケなのだが,まるでその「壮大な失敗例」を目の当たりにするようである。こんなんではナニも決まらないじゃん。と云う風にワシには見えたけどな。しかして一方,オランダ人はこう云う作業・会合・議論を実に粛々とやっているのね。と云う点でも痛く感心した。実に実に非合理的で時間的人的コスト甚大な方法論であって,かつ,妙ちきりんな妥協点と云う全員にとって不幸な実現しか結実しないのである。こんなのにはワシは付いて行けない。 とまぁ,そのような非常にマイナーなドキュメンタリ映画でございまして。当blog読者にこの記事を読んで「是非見に行きたい」と思う奇特な方など一人もいないと思う。一体,どう云う趣味の方々がこの映画を見に行くのだろうか?全く不明だ。と,ワシ本人が行っておきながらそのように思ってしまうのですが。 結局,この改装と共に撮影を始めたこのドキュメンタリ映画は,改装が完成するのを待つことができずにこのような形で公開されるに至ったようである。そして,つまりはそのようにしてこのために,「続編」が撮影されているそうです。スバラシ。完成の暁には,是非またユーロスペースでかかって欲しい。ワシは見に行く。この後どうなるのか,知りたい。 ちなみにRijksmuseumは現状では,2013年のオープンを目指して工事中とのコト。 もしも万が一にも,この映画に興味を持たれて,見に行こうと思う方には一つだけ,アドヴァイスがあります:→受付で簡単なパンフレットを売っているから必ず購入しなさい。パンフレットの説明を見て,初めていろいろと意味が解って来ます。このパンフレットは簡単な作りの見た目のワリにチョーお薦めです。 アムステルダムとRijksmuseumがお好きな方。におかれましては。普段絶対見ることのできない,展示をしていなくて,改装の為に内部がいろいろ剥き出しになっているRijksmuseumを観る機会。と云えなくもありません。そう云う超マイナーな覗き見趣味だけででも観る価値はある。ま,そう云う興味があれば,と云う一点に限りますがね。 少なくともワシにはとっても面白い映画でした。続編が楽しみです。 あ。後。改装後のRijksmuseumに於ける全くもって斬新な展示プランに関する学芸員の議論なども出て来てね。改装なったRijksmuseumに行くのもとっても楽しみです。まだまだまだまだ先のコトっぽいんだけどね。
by electrostatics
| 2010-09-15 18:59
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