検索
カテゴリ
その他のジャンル
|
■ミカエリス・メンテン型(Wikipedia参照)の速度式は一般に以下のように書ける。
これは変数分離形だからごにょごにょっとすると以下のように積分できる。
■一つの問題,と云うか弱点は,Sについてexplicitに解けないので不便。あるいは気分悪い。と云うコトである。実験データからこの式の定数を決定する場合,普通は,速度の逆数と基質濃度の逆数をプロットする,いわゆるLineweaver-Burkプロットでもって,これが直線になるような反応初期の速度データを用いて行われる。どうやら,酵素屋さんの実験系の設計範囲などでは,それで十分と云うコトらしい。 ■しかしまぁ,この式は結構シンプルな構成でできているので,同じような速度式は別の問題を考えている時にもひょぃと現れたりもするし,条件によっては,反応初期に対応するようなデータばかりで具合良くフィッティングがかけられるとは限らない。 ■最近は,なんでもパソコンが計算してくれるので,別に「直線」になる範囲ダケでなくても,非線形最小自乗法で無理矢理フィッティングすることも可能。但し,データの重みなどのビミョウな論点は残るのだけれども。 ■サテ。それで問題は,積分形である(1)式で上手くフィッティングさせられるのか,と云う点である。結論を書くと,転化率の大きい処,S→0近傍の点があると上手く行かない。S→0でLn(S/S0)→∞,つまり,ここの項は一次反応的なので,100%反応するには無限に時間がかかることになる。このため,フィッティングさせようとすると,転化率の大きい処での t の(絶対値がクソでかいからその)残差ばかりが他の点と比べてクソでかくなってしまう。ので,パラメータがそっちへヒッパラレテしまって計算が破綻する。だから,(1)の積分形では,転化率で80%以下くらいのデータ範囲に限って計算する方がたぶん無難。 ■それ以外の,と云うか気分の良い?根本的解決策としてSを,S=f(t)の形に,つまりSについて陽に解いておいてフィッティングを行いたいと云うワケだ。これを数値的に解いて,と云う方針もあり得るが,やっぱり,S→0のアタリで求根が破綻して上手くいかない。 【ここからがメモの本体】 ■とある特殊関数を使うと,(1)はSについてexplicitに解ける(と云うか表現・表記できる)。問題はその特殊関数をソフトが内蔵しているかなんだけど。 ■その特殊関数とは,マヘでは,ProductLog[z]。 ■直訳すると「積対数」?そんなん知らんよ・・・。と思ってイロイロ調べて回って見ると,結局,以下のWolframのサイトの情報が一番詳しい: http://mathworld.wolfram.com/LambertW-Function.html ■通称「ランバートのW関数」と呼ぶのだそうな。あるいはランベルト?どうやら例のランバート・ビール(ランベルトベア?)の法則のランバートらしいっす。光路長方向の光の消失の積分形を議論する為に発明したらしい。 ■ランバートのW関数は,y=xexの逆関数として定義される。W(y)=x。このとき,(1)式は,以下で表される:
■ただまぁ,こんな関数知らんヨ。っつーか,マヘじゃない,いわゆるひとつのフツーの範囲でのExcelとかSigmaPlotとかの汎用ソフトには内蔵されてないんじゃないのかね(Excelについては持ってないコト確認済み。他は持ってないから知らない)? ■それじゃぁこの「メモ」は全く使いモノにならない情報ってコトですか?わっはっはー。オアトガヨロシイヨウデ。 【追記】 ハッ。マテヨ・・・。ひょっとして。最初の(1)式を使うフィッティングの処の議論なんですけど。S→0 の近所での t の絶対値の残差がクソでかくなって問題がある。って云う議論であったのだが。だったら,「相対残差の自乗和」をターゲットにして最適化すればちゃんと収束するのかな?未確認ですが・・・ひょっとしたらそうカモ・・・。もしそうなら上の議論は全くの無駄ってコトでつか・・・ギャフン。。。。orz。
by electrostatics
| 2006-01-27 18:20
|
ファン申請 |
||