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「I Can't Believe It's Not Butter!」って云うのは(前にも書いたコトがあるカモ知れないけど)Unileverが作っているマーガリンの商品名である。キャッチコピーとしてはともかく,商品名としては長過ぎるのではないかと思うのですが如何。そして食べてみると全くマーガリンの味しかしないのである。箱書きの説明を見るとコレは,植物性油脂(マーガリン)にbuttermilkを混ぜて風味を向上させたモノ。とあるな。bettermilkと云うのはこれまた字面から想像されるのとは全く逆で,「バターを取った後の乳」のコト。つまり脱脂乳である。オランダあたりでは,「full milk」「half milk」と並んで大量に売られておって実際大量に消費されている。イギリスでbuttermilkが大量に売られている様子はまだ見たコトがない。飲んでみるとかなり酸っぱい。ヨーグルトドリンクのような味がして(それはそれで結構美味しいのだけれども,「乳」と思って飲んではダメで)全然全く牛乳の味はしない。逆に,牛乳の乳脂肪の風味が苦手なヒトには良いカモ知れない。でもこれは,乳蛋白コロイド水溶液なのでして,ヨーグルトドリンクのつもりで乳蛋白分解に弱い胃のヒトが飲むと,つまり牛乳を大量に飲んだ時と全く同じ症状が招来されるであろう。いつぞや誰かがbuttermilkと云っても脂肪分の残留もそれなりにあって,全然ダイエット飲料ではないと笑っていました。こう云うコトを云うのは大概フランス人と決まっているのであるが。
戻って。buttermilkの消費があまり大きくないのであれば,当該商品「乳風味マーガリン」は廃品利用的で非常に良いカンジと云うコトになるのだけど。でもまぁ,乳加工品のこうした流通・消費バランスについては全く情報がないので確かなコトは云えないのでした。 先日は販促用タダ券。が入手されたので,LURPAKって云うのを買って(と云うか貰って)来ました。こちらは,バターに1/3くらいマーガリンを混ぜたモノのようです。日本で云うhalf&halfの,バターコンテンツがもうちょっと多いタイプの模様。でも味はマーガリンなので不思議である。 先日,まだ日本にいる時に見たイギリスのコントで,この「I Can't Believe It's Not Butter!」がネタになっていました。シーンは空港の税関検査である。ハデな格好の女が係員にトランクを開けられている。トランクからバターのようなモノが出てくる。 係員:「乳製品は持ち込み禁止です」 女:(一瞬動揺して見せるが)「これはバターじゃないわ」 係員:「ああ,コレは『I Can't Believe It's Not Butter!』ではありませんか。コレはマーガリンだから乳製品じゃないですね。ではOKです。」 (更にトランクの中身を調べる係員。奥の方から,白い粉の入ったビニール袋のパッケージが出て来る。相当に動揺する女) 係員:「コレは?」 女:(相当に動揺する)「・・・」 (ビニール袋の表面に「I Can't Believe It's Not Heroin」と書いてある) 係員:(ニコニコしながら)「ああ,これはヘロインじゃないからOKですね」 (笑。オシマイ) ナニが云いたいのかと云うと,こう云うこっちでの日常的常識に属するバックグラウンドを含むコントは(多くの場合,笑いってのはそう云うモノだが)翻訳が難しいと云うコトなんですけどね。実際,上記コントの放送は字幕だったんだけど,日本語字幕はちょっとヘンだった。アレではナニがおかしいのかサッパリ解らないであろうと,珍しく上記のような話の流れを理解できたワシは思ったワケです。だからと云ってコントの途中で(字幕で)「I Can't Believe It's Not Butter!」についての説明を加わえるワケにもいかないでせうね。全く難儀なコトである。 「笑いのツボ」も全く違うのかナンなのか,だいたい,イギリスの「お笑い」なんか見てても何処が面白いのかサッパリ解らないのだが,相当の割合で上記のような事情(パロディとか本歌取りの元を知らないってコト)もあるのだろうなぁ。珍しく「理解できた」お笑いが翻訳難で残念,と,その時テレビを見ていて思ったのでした。
by electrostatics
| 2007-05-20 20:00
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